「光熱費を抑えたい」

「環境にやさしい暮らしがしたい」

「新築でも性能にこだわりたい」——。

そんなニーズに応えて注目を集めているのが、ZEH-M（ゼッチ・マンション）です。

近年、省エネ意識の高まりとともに、「ZEH（ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス）」という言葉を耳にする機会が増えてきましたが、ZEH-Mとはマンション版のZEH仕様物件のこと。

今回は、ZEH-Mの意味や仕組み、賃貸で選ぶメリット・デメリット、そして今後の住宅市場への影響について、わかりやすく解説します。

そもそもZEH・ZEH-Mとは？

ZEH（ゼッチ）とは？

ZEHとは「Net Zero Energy House（ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス）」の略で、高断熱・高効率な住宅設備と太陽光発電などを組み合わせて、年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロにする住宅のことを指します。

つまり、冷暖房や給湯、照明などで使うエネルギーを、自家発電でまかなうことができる住宅です。

ZEH-M（ゼッチ・マンション）とは？

ZEH-Mはその集合住宅版です。

「ZEH-M Ready」「ZEH-M Oriented」など段階があり、それぞれ省エネ基準の達成度や太陽光発電の導入有無などによって分類されます。

賃貸でもZEH-Mは選べる時代に

これまでは「持ち家」や「注文住宅」で導入されるケースが多かったZEHですが、最近では分譲マンションや賃貸マンションにもZEH-M対応物件が増えています。

国が2030年までに新築住宅の平均でZEH水準を目指す方針を打ち出していることもあり、ハウスメーカーや建設会社も対応物件を次々と投入しています。

ZEH-M賃貸物件のメリット

1. 光熱費の削減

ZEH-M物件では断熱性が高く、冷暖房効率が良いため、月々の光熱費を抑えることができます。

電力消費を抑えるだけでなく、太陽光発電による売電や自己使用が可能な物件もあり、経済的です。

2. 快適な住環境

夏は涼しく冬は暖かい、高性能な断熱・気密性能によって、一年を通して快適な室内温度を保ちやすいのが特徴です。

温度差によるヒートショックなどのリスクも軽減されます。

3. 環境にやさしい暮らし

エネルギー使用量を削減し、CO2排出量も少なくなるため、エコ意識の高い暮らしを実現できます。

「サステナブル」や「SDGs」に関心のある方には大きな魅力です。

4. 資産価値が高い（分譲の場合）

将来的に売却や貸出を考えている人にとっては、ZEH基準を満たす物件は資産価値が維持されやすいとされています。

これは投資用物件としても注目されている理由の一つです。

デメリット・注意点

1. 家賃が少し高め

高性能な建材や設備を使用しているため、一般の賃貸物件よりも家賃がやや高めに設定される傾向があります。

ただし、光熱費の削減効果を考慮すれば、トータルで見るとコストパフォーマンスは高いとも言えます。

2. まだまだ物件数が少ない

地方都市や郊外では、ZEH-M物件の供給が少ないエリアもあります。

そのため、希望エリアで見つからない場合もある点には注意が必要です。

どんな人におすすめ？

ZEH-M賃貸物件は、次のような方に特におすすめです

 • 光熱費を節約したい一人暮らし・ファミリー層

 • 小さな子どもや高齢者がいて、快適な温度管理を重視したい家庭

 • 環境への意識が高く、エコな暮らしを実践したい方

 • 新築や築浅の高性能住宅にこだわりたい方

ZEH-M物件の探し方

「ZEH-M対応」と明記されている賃貸物件はまだ少ないですが、以下のような方法で探すことができます

 • 大手ハウスメーカー（積水ハウス、大東建託、大和ハウスなど）の公式サイトをチェック

 • 「ZEH」「高断熱」「省エネ住宅」などのキーワードで検索

 • 地域の不動産会社に「ZEH-M物件を探している」と伝える

まとめ：これからの賃貸は“性能”で選ぶ時代へ

ZEH-M物件は、これまでの「立地」や「間取り」だけでなく、「快適性」や「省エネ性能」といった新たな価値基準で選ばれる時代の住まいです。

家賃だけで物件を選ぶのではなく、住んだ後の暮らしやすさ・ランニングコスト・環境への配慮を含めて検討することで、より満足度の高い暮らしを実現できます。

今後、ZEH-Mは賃貸市場でも「選ばれる物件」としてますます拡大していくと予想されます。もし引っ越しや物件探しを検討している方は、ぜひ一度ZEH-Mの選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか？